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かぜに効かない抗菌薬 6割超の医師が処方
かぜに効かない抗菌薬 6割超の医師が処方
2018年7月1日 4時58分かぜの治療の際、60%を超える医師が、患者が希望すれば抗生物質などの抗菌薬を処方しているという調査結果がまとまりました。抗菌薬は使用量が多くなるほど、薬が効かない「耐性菌」を増やすことにつながり、専門家は「かぜには抗菌薬が効かないことを広く知ってもらう必要がある」と話しています。この調査は感染症の専門学会が抗菌薬の処方の実態を調べようと行い、全国の269の診療所の医師が回答して、先月結果がまとまりました。抗菌薬はウイルスが原因のかぜには効きませんが、患者側が効くと誤解し、処方を求めるケースがあります。調査では「患者や家族が抗菌薬の処方を希望した時」の対応について聞いていて、12.7%の医師が「希望どおり処方する」と答え、「説明しても納得しなければ処方する」と答えた医師も50.4%に上りました。一方、「説明して処方しない」は32.9%にとどまりました。抗菌薬は使えば使うほど、薬が効かない「耐性菌」が増え、イギリスの研究機関では、何も対策が取られなければ、2050年には世界で年間1000万人が耐性菌によって死亡するという推計まとめています。調査をまとめた国立国際医療研究センターの大曲貴夫副院長は「かぜには抗菌薬が効かないと患者に広く知ってもらう必要がある。また抗菌薬が必要な感染症もあり、医師が適切に判断できるようかぜと見分ける検査法も普及させたい」と話しています。
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