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エジプトのジャスミン栽培支える深夜の花摘み、世界供給量の半分


エジプトのジャスミン栽培支える深夜の花摘み、世界供給量の半分

エジプトの豊かなナイル川デルタ(Nile Delta)の畑で、エマン・メハンナ(Eman Mehanna)さんは真夜中にヘッドランプのスイッチを入れ、その日のジャスミンの花摘みの仕事を始める。この時期、花の強い香りは遠方にまで漂う。エジプト・ガルビーヤ(Gharbiya)県は、ジャスミン栽培の中心地だ。世界貿易の統計によると、この地で香料用として抽出されるアロマオイルは、世界の供給の半分以上を占めている。首都カイロの北方約100キロにあるシュブラベロウラ(Shubra Beloula)村の畑でジャスミンの手摘みの花を集めながら、メハンナさんは「子どものころからジャスミン摘みをやっている」と語る。ジャスミンの収穫シーズンは毎年6月から11月。その間の花摘み作業は毎日、真夜中に始まり、夜明けの数時後に終わる。夜中に収穫する主な理由は花が完全に開く時間帯にあるのだが、日没後の方が涼しく、労働者にとっては条件がいい。ただ、収穫作業は楽ではない。一日に収穫できる花弁は、手練れの労働者で5キロほどだ。■花弁からペースト国際精油香料貿易協会(International Federation of Essential Oils and Aroma Trades、IFEAT)によると、香料用ジャスミン抽出物の生産国は主にエジプトとインドで、両国で世界の供給の約95%を占めている。IFEATの推定によると、ジャスミン貿易はエジプトに年間約650万ドル(約6億9000万円)をもたらし、約5万人の収入源となっている。地域の精油工場によると、ガルビーヤ県には推定400ヘクタールジャスミン畑があり、国では現在、1日当たり20トンのジャスミンの花が日々収穫されているという。毎年、これらの収穫された花から約5トンの濃厚なジャスミンペーストが作られる。■「はした金」労働者らには長年抱いている不満がある。それは、最大の競合相手であるインドの低生...
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