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<マル激・後半>トランプのアメリカで起きている歴史的な変化を見誤ってはならない/会田弘継氏(ジャ...

年が明けるとトランプ政権が始動する。既に関税の大幅引き上げや百万人単位の違法移民の一斉送還、そして自分を訴追した勢力に対する飽くなき報復を公言するなど、トランプ2.0に対してはアメリカのみならず世界中が戦々恐々としている。 トランプといえば、数々の差別発言や刑事裁判にもなっている数々の事件などのために、どうしてもトンデモ政治家とのイメージがついて回る。ジャーナリストでありアメリカ政治思想史の研究者でもある会田弘継氏は、再びトランプを選んだアメリカで起きている歴史的な変化を決して甘くみてはならないと警鐘を鳴らす。 なぜならば、トランプはアメリカの格差や分断、民主主義崩壊の原因ではなく、その結果に過ぎないからだと会田氏はいう。つまりトランプ現象というのは、トランプ自身が引き起こしたものではなく、アメリカの歴史の必然として早くは1970年代から燻っていたところに、たまたま究極のポピュリストであり世論を掴むことに天賦の才を持つドナルド・トランプというキワモノ的キャラクターが登場したというのが、会田氏の見立てなのだ。 それは今回の大統領選挙で民主党が負けた原因とも関係がある。本来は低所得層や労働者、少数民族の代弁者であったはずの民主党が、今やすっかり富裕層エリートのための政党になってしまった。そうした中で民主党から見捨てられ自分たちの代弁者を失ってしまったと感じる人々の怒りや絶望が新たな階級闘争に発展し、そのような分断状況を敏感に見て取ったトランプが見事なまでに不満層の支持を汲み上げることに成功し大統領選挙に勝利したのだと会田氏は言う。 その背景にはアメリカにおける産業構造の大転換がある。1970年代以降、アメリカの製造業は急速にサービス産業に転換していった。その過程で、アメリカの工場は...
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